ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Monday, October 15, 2007

ウクライナ旅行 Giurgiuleşti, Moldova Rep.

Galaţiから東へ8km程進むとモルドヴァ共和國との國境がある。
ドナウと鉄道に沿って道路(E87号線)が通っているのだが、國境を越える交通機関はなく、國境までの公共交通もタクシーのみ。鉄道は旅客サーヴィスはなく、不定期な貨物列車のみ運行しているようだ。そもそも國境駅も見当たらない。
この國境付近に小生が注目していたのは、数年前にルーマニアの地図を眺めていた時以来である。この國境を越えたすぐ先にモルドヴァ共和國とウクライナの國境がある。ドナウに沿った形で道が延びており、ルーマニアからは2-3kmでウクライナに陸路で入れるルートである。楔が打たれたようにその先がドナウに届いていると表現すれば、ご想像していただきやすいだろう。因に、意外と知られていないことだが、この間のドナウはモルドヴァ共和國にも接しているのだ。よって、一般に言われている「ドナウ川流域國」というのは、ドイツ、オーストリア、スロヴァキア、ハンガリー、セルビア、ルーマニア、ブルガリアとの認識を改めなければならない。正しくはモルドヴァ共和國並びにウクライナを加えた9ヶ國である。地図上でこの僅かな距離であるが、モルドヴァ共和國がドナウに接していることを発見したのが、小生がこの地域に興味を持ったり理由であった。

漸くの訪問機会を得たので楽しみであるのだが、ルーマニア國外となるので、万が一の場合は覚悟しなくてはならない。増してやモルドヴァ共和國には、日本国の在外公館は存在せず、兼轄しているKievにある在ウクライナ日本國大使館と連絡をとらなければならない。旅券を紛失するなんてことになると厄介だ。以前にKishinevを訪問した時も気を付けていたのだが、ここGiurgiuleştiは首都Kishinevから遠く離れた、村もしくは集落という地区である。更に慎重に考えなければならない。但し、このような心配の前に肝心の越境に手間取った。

この國境ポイントはルーマニアとモルドヴァ共和國との國境のまさに最南端である。両國の國境は國際河川Prutが設定されている。Prutはルーマニアからウクライナに連なるCarpati山脈のウクライナ側に端を発し、このGiurgiuleştiでドナウに合流する。その距離実に953kmにも及ぶ。ドナウに比べれば短いのだが、日本最長の信濃川が367kmということを考えれば長く思える。ルーマニアとモルドヴァ共和國との國境ラインはこのPrutに沿った681,3kmである。

タクシーで國境まではホテルから10分少々。郊外へ向かうにつれて何も無くなる。舗装状況は意外と良い。國境で下車して、歩いて出國審査に向かうも、係員が出てきて徒歩での越境は認められないとの旨を伝えられた。方法としては、越境する車両に同乗するしかないとのこと。併し、30分待てども通過車両は来なかった。ただGalaţiへ向かう車両は時折見るのだが、ルーマニアナンバーはなく、全てモルドヴァ共和國ナンバーであった。45分が過ぎた頃、古いFordの箱型バンが國境に差し掛かり、事情を話すと小生を乗せてくれた。この車もモルドヴァ共和國ナンバーで、男性運転手と3人の老婦人はGiurgiuleştiからGalaţiの市場へ葡萄を出品してきた帰りとのこと。そういえば、Galaţi市内から國境への間に大きな市場があった。今朝小生が散策したものとは違う、大規模なものである。バンは本来3列あるべきシートは前列の運転席と助手席以外は取り外されており、簡易ベンチが2つあり、そこに赤いネットに入った馬鈴薯が2つあった。2つで20kgになる。ルーマニアの方が値段が高いのではと尋ねると、この秋のモルドヴァ共和國は農業が不作で、野菜の流通が悪いとのこと。水不足と猛暑が影響したとのことだった。

彼らモルドヴァ國籍保持者がルーマニアに入國することについて今年から大きな変化があった。ルーマニアが欧州連合に加盟に伴う余波とも言える。昨年までは、所持品についてはともかく、問題がなければ一般の入國は、査証不要の旅券のみで良かったのだが、今年の元旦から査証が義務付けられたとのこと、しかも國境での申請取得は認められず、Kishinevにある在モルドヴァ共和國ルーマニア大使館へ出向き、申請後約2ヵ月で発給されるそうだ。査証代は無料だが、査証の申請と受領に2度Kishinevに出向くことになり、それに伴う出費も当然掛かる。しかも、申請はいつも行列で出来ており、発給までの期間が2ヵ月というのもこの辺りの事情があるのだろう。一方でもう1つの方法があり、Giurgiuleşti在住の彼らはそちらを利用しているという。それはウクライナにある在オデッサルーマニア総領事館での査証申請である。こちらも無料でしかも即日発給してくれるとのこと。距離にしては片道300kmほどだが、即日発給とのことで希望者を募って車で出掛けるとコストも低いとのこと。

出入國は意外と簡単に終わり、制限区域を出たところで降ろしてもらう。
いくらかの心づけを渡そうとしたら、運転手から先に要求された。こういうところはルーマニア風だ。金額の指定はなかったが、10ルーマニアレイを差し出したら笑顔で受取っていた。



バンは左にある集落へ、向かい晴れてモルドヴァ共和國に入國した小生は、少し先の別の國境へ上り坂を直進した。丁度正午に差し掛かるころで、日差しが気になり始めた。
丘の下のドナウには、モルドヴァ共和國の唯一の港があるようで、トラックの往来が多かった。トラックの種類から、港は建設中もしくは拡張中かもしれない。


参考サイト
All Moldova http://www.allmoldova.com


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ガラツィ旅行 Galaţi, Romania

ルーマニアの東部にGalaţiという街がある。同名の県の県都であり、ドナウに面した港町としても有名ある。小生は初めての訪問するのだが、街についての予備知識は殆どなく、この12月には日本で有名な100円均一チェーンのダイソーがルーマニアへの第2号店を当地に開店させるという話を聞いたことくらいか。

昨夕に列車で到着後、そのまま劇場へ向かい演奏会を鑑賞する。Bucharestと比べると垢抜けていないのは予想の範疇である。終演後はホテルへ移動、付近のレストランで夕食をとる。街の中心にしては野犬が気になる。野犬といえばBucharestも有名で、小生も見慣れているのだが、この街では良く目に付いた。散策好きな小生も食後の散歩も控えて、大人しく部屋に戻った。

Galaţiの紋章、船や魚の意匠はドナウ河畔ゆえだろう


今朝は、朝食前から散歩に出掛けた。ホテルで市内の地図を貰い、付近の市場を目的地にした。この時期は、日中は汗ばむこともある一方、朝はやや肌寒い。風が強いのは、ドナウ河畔だからだろう。7時すぎに市場へ到着した小生は冷やかし客を演じる。周りは買い物客で活気付いてる。市場とその周辺を散歩したのだが、野犬は朝寝坊のようだ。ところどころで、丸くなって眠っていた。

街角の建物、ルーマニアでよく見る様式


小腹が空いたが、ここでは何もとらずホテルへ戻り、簡素な朝食をいただく。卵料理のリクエストを聞かれた他は、コールドディッシュのビュッフェでセルフサーヴィス。
その後、午前中のアポイントメントを終え、街外れの國境へ向かった。


参考サイト
Galaţi http://www.primaria.galati.ro/
Heraldry of the World http://www.ngw.nl/ 世界の紋章が収集されている。
ダイソー http://www.daiso-sangyo.co.jp/


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