イスタンブール旅行 vol.2
小生のイスタンブール訪問は1999年10月、2002年11月、2003年2月に続いて今回が4度目である。
暑い時期の訪問は今回が初めてであるが、ブカレストと大差はない。海に面した街であるが、湿度についても気にならない程度であった。つまり気候においては旅先という気がしなかったのである。前日の到着後は既に述べたとおり熟睡したのだが、その後は食事とサウナのために起床して体調を整えた。
翌日は一夜が明ける前に、旧市街にあるアクサライ(Aksaray)地区へ友人を迎えに出掛けた。友人は我々から一日遅れてブカレストを定期バスで出発しイスタンブールへ向かっていた。
ブカレストを前日の15時に出発しイスタンブールへは翌朝5時から6時に到着。到着地の住所も知らないために小生は4時過ぎにハイヤーでアクサライ地区に到着した。小生の宿は新市街のベシキタシュ(Besktas)に位置してるので歩いて行ける距離ではない。
アクサライは以前にも歩いたことがあるエリアではあるが、そのどこに目当てのバスが到着するか分らない。ラレリ(Laleli)、ウニヴェルシテシ(universitesi)との名前を聞いていたのでそれを頼りに歩くことになるのだが、アクサライの交通の要所である大交差点の一角に路面電車のラレリ駅を見つけたものの、バスターミナルや停留所の類はない。日も昇らない4時半過ぎにその交差点では大勢の警察官が通行車両の点検を行っていた。数日前からトルコの地中海沿岸のリゾートで爆発騒ぎが頻発していたからである。滞在中にはイスタンブールでも爆弾騒ぎがあった。
ハイヤー以外は全て停止を求められていたが、中には気付かずに通過する車両もあった。併し警察官は「あー」と言うだけで追うわけでもなく、無線で同僚に呼びかけもしなかった。このような早朝からご奉公される彼等にバスの到着について尋ねるが、残念なことに誰も知らなかった。かつて歩いた際に裏通りからモルドヴァ共和国の首都キシニョフ(Chisinau)行きのバスが停車していたことを思い出し、地図を片手に裏通りを歩くが、電灯もなくひっそりとしており不気味であった。この界隈を歩いている内にウニヴェルシテシの路面電車駅の近辺に出た。この駅はラレリ駅の一駅隣である。その時、友人の乗るオルタゴグ社のバスが小生を追い越して行った。バスの消えていった角まで走って追いかけて行くとそこで乗客が荷物を取り出している。
素直にこの2点を歩いておけば上り坂であるが5分ほどだったろう。到着地の住所を聞いておくことを教訓として学んだ。
オルタゴグ社の事務所前に停まったバスのすぐ先にはこの区間を運行する他社の事務所があった。後日この界隈を散策した時には少し離れたところにも他社の事務所を見つけた。ブカレストからイスタンブールの間には数社が毎日運行しているが、いずれもこの地区からの発着のようだ。アクサライから西にある巨大なバスターミナル(オトガル=otogar)からの運行でないことが意外だった。
無事に友人との再会を果たし、新市街の宿へ向かうべく始発が運行始めた路面電車に乗車。イスタンブールを初めて訪問した友人に車窓からスルタンアフメット(Sultan Ahmet)地区にあるイスタンブールで最も有名な建築物であるトプカプ宮殿とブルーモスクの名で知られるスルタンアフメット・ジャミイを案内。車窓から見ることの出来るのはスルタンアフメット駅の停車時間を入れてほぼ1分ほどなのだが、見慣れないイスラム寺院とその大きさに興味津々の様子であった。空が白み始めたので、シルケジ(Sirkeci)駅で下車する。ここはトルコ国鉄のシルケジ駅の正面にある。かつてはパリ発のオリエント・エクスプレスの終着駅であった名誉ある駅であるが、その面影は構内のレストラン「オリエント・エクスプレス」にしか見られない貧弱な駅である。余談であるが、かつてのオリエント・エクスプレスはブカレストを経由しており、戦時中中立国であったトルコのイスタンブールへ日本の政府及び軍関係者を運んでいる。さらに余談ではあるが、当時のブカレストには「日本のシンドラー」として有名な外交官杉原千畝も駐在(1942-1947)してこともあり、ブカレスト以南はいざ知らず、きっと彼もこのオリエント・エクスプレスに乗車したのだろうと空想を巡らす。
このシルケジ駅のすぐそばにエミノニュ(Eminonu)桟橋がある。
欧州大陸と亜細亜大陸に跨る大都会イスタンブールの水上交通は見事なもので、ヨーロッパサイドとアジアサイドにいくつかの桟橋があり、連絡船がボスポラス海峡を東へ西へとピストン航行している。
ヨーロッパサイドにおける新市街と旧市街の境界がこのエコノミュから西へ少し延びる金角湾である。動物の「角」のような細長い形を地図上に表すこの湾の「金」の意味は朝日の輝きとそのリフレクションに由来すると言う。時間が時間なのでこの金角湾をの入り口にいる我々は対岸のカラキョイ(Karakoy)に架かるガラタ橋で朝日を拝むことにした。亜細亜から昇る太陽は、欧州から出たことのない友人もそうだが、日の出る國から来た小生には感動的であった。橋には既に15人程が釣り糸を垂れていた。
Labels: 旅行:トルコ Turky
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