ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Monday, September 11, 2006

イスタンブール旅行 vol.4

イスタンブール旅行の話であるが、今回はサッカーについてである。

イスタンブールには名門クラブが3つある。
ベシクタシュ(Beşiktaş)とフェネルバフチェ(Fenerbahçe)。後者は前日本代表監督のジーコが監督に就任して日本でも名前が知られたかもしれない。順不同であるが、最後にガラタサライ。トルコ語では「Galatasaray Istanbur Spor Kulübü」と綴る。英語訳すると「ガラタサライ・イスタンブール スポーツ・クラブ」。開催中のUEFAチェンピオンズ・リーグにおいて明日から行われるグループリーグにトルコから唯一出場するクラブでもある。
実はこの名門クラブは、ルーマニアとも関係が深い。「東欧のマラドーナ」とも言われたルーマニアの國民的英雄と言われる元サッカー選手ゲオルゲ・ハジ(Gheorge Hagi)のクラブ時代で最も輝いていた時期がこのガラタサライ在籍時であった。在籍期間は彼の晩年の1996年から2001年であり、この間にガラタサライ史上2つしかない欧州タイトルである1999年-2000年シーズンのUEFAカップ(欧州サッカー協会連合杯)と2000年のUEFAスーパーカップを制覇している。
ハジは現役をガラタサライで終えた後、ルーマニア代表、そしてトルコリーグのブルサ・スポーツの監督を歴任した後に2004年3月にガラタサライの監督に就任している。その後、ルーマニアのポリテフニカ・ティミショアラを率いた。併し監督としての結果はいずれもファンの期待を裏切るものであった。取り分けルーマニア代表を率いた戦績はハンガリー、スロヴェニア、グルジアといった決してサッカー強國とは言えない相手に対し4試合で1勝2敗1引き分けという戦績で数ヶ月で降板に至った。裏を返せば、この人事は國民的英雄と言えども、それだけにサッカーに厳しい國民性が見て取れる。
一方で2000年から2002年にかけてガラタサライを率いたルーマニア人監督ミルチャ・ルチェスク(Mircea Lucescu)は、2001年-2002年のシーズンにおいてクラブを3シーズン振りにトルコリーグのチャンピオンに育て、翌シーズンは、ライバルのベシクタシュで指揮を執りリーグ優勝に導いていることから名監督の呼び声が高く、監督としての名声はハジと明暗を分けている。只今ルチェスクは、ウクライナリーグの名門シャフタール・ドネツク(FC Shakhtar Donetsk)で指揮を執り、現在開催中のチャンピオンズリーグのグループリーグに出場を果たしている。國内では、もう一つの雄ディナモ・キエフとリーグ常に首位争いを演じている。余談だが、我がステアウア・ブクレスティは明後日にキエフにて今季のUEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ初戦をディナモ・キエフと戦う。

さて、イスタンブール旅行に何故サッカーの話題かというと、この滞在中に私の好きな日本人選手稲本潤一がガラタサライへ移籍したというニュースを知ったからである。稲本のプロ選手としてのスタートは、J・リーグのガンバ大阪(GAMBA OSAKA、在籍は1997年-2001年)である。ガンバ大阪は小生の地元クラブでJ・リーグ設立から贔屓にしている。稲本在籍時のガンバ大阪はまさに暗黒時代であり、試合観戦の唯一の楽しみが彼の活躍であった。その後の彼は英國へ渡りほんの少し活躍するものも出番が少なくなり、渡り歩いたチームは2部リーグへ転落したりと不運が続いた。併しそのチームですら出場機会は少ないままで、冷や飯を喰わされていたといえる。その彼がトルコの名門チームへ完全移籍というのであるから、これは大ニュースである。
今シーズンの移籍期限の8月31日にこのニュースが発表され、翌9月1日に入団発表が行われた。背番号は23。



Fotospor紙 10面(上)と最終面


翌2日午前中にガラタサライのファンショップへ出掛けて今シーズン仕様のホーム用レプリカユニホーム(シャツ)にINAMOTOの名前と背番号23をつけてもらい購入した。このショップは以前にも来たことがあり、その際はハジの現役当時のデザインでホーム用をHAGIの名前と背番号10で購入した。店員によるとレプリカ購入者第一号だという。「稲本、レプリカ、2006年-2007年、ホーム」とオーダーすると、店員はつたない英語でスポーツ紙を見せ「23だ」と言い、親指を立てて微笑んだ。出来上がりを早速Tシャツnの上に着てイスタンブールの新市街の中心タキシム界隈を歩くと、「イナモト」という声が数十回も聞こえた。子供に至っては小生をイナモトと思っているのだろう。トルコ語で話し掛けてくるのだがさっぱり分らない。「イナモト」と呼びながら小生を指すことを繰り返す。入団会見でもそうだったが稲本は金髪である。それ以前にサッカー選手である。身長170cmに及ばない小生をサッカー選手に間違えるのはやはり子供だからであろう。更に言うとサッカー選手がジーンズを穿いてユニホーム(シャツ)を着て人通りの多い歩行者天國を午前中に歩いている筈がないのである。併し知名度が抜群であったことに本当に驚いたのである。
その稲本は、先週末のトルコリーグにデビュー。先発して90分フル出場というのは、冷遇された最近ではなかなか機会がなかったことである。今年6月22日のFIFAワールドカップの1次リーグ最終戦のブラジル戦以来であるが、その前は3ヶ月前の英國ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich Albion)在籍時代のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United FC)戦(3月18日)にまで遡る。

ガラタサライは明日9月12日にUEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ第1戦をイスタンブールでフランスのボルドー(FC Girondins de Bordeaux)と戦う。チェンピオンリーグだけでなく今後の稲本の大活躍を期待したい。 



購入したレプリカユニホーム(シャツ)


参考サイト
Galatasaray Istanbur Spor Kulübü http://www.galatasaray.org/
Beşiktaş Jimnastik Kulübü http://www.bjk.com.tr/
Fenerbahçe Spor Kulübü http://www.fenerbahce.org/
Bursaspor http://www.bursaspor.org/
FCU Politehnica Timisoara http://www.poliaektimisoara.ro/
FC Shakhtar DonetskDonetsk http://shakhtar.com/
Dinamo Kiev http://www.fcdynamo.kiev.ua/
稲本潤一オフィシャルサイト http://campo.jp/inamoto/
ガンバ大阪 http://www.gamba-osaka.net/
West Bromwich Albion Football Club http://www.wba.premiumtv.co.uk/
Manchester United Football Club http://www.manutd.com/
FC Girondins de Bordeaux http://www.girondins.com/


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