イスタンブール旅行 vol.5
最後は食の話題。
旅行の醍醐味の欠かせない要素のひとつは、疑いなく飲食である。
世界三大料理の一角トルコ料理であるが、どういうわけか物知りの講釈において挙げられる順番はフランス料理、中華料理についで3番目である。最後に挙げるが故に講釈が始まると言えばそれまでではあるが。
今回の旅行では勿論トルコ料理を積極的に食べた。併し、初めての経験ではなく、それらがルーマニア料理もしくはバルカン半島にある料理との差異を感じる程度であったので味の方では大した驚きがなかったのだが、そのものの背景(名称や形状等の差異の部分)が興味深かった。
例を挙げると、ルーマニア料理で有名なものに「チョルバ」というものがある。一語で表現するとスープだが、チョルバとは酸味を伴うスープを指す。ルーマニア語では酸味のないスープは、別の単語(スパ)で表すので、ルーマニアにおいては両者はしっかりと区別される。併し、ここトルコにおいてはスープのことを「チョルバ」という。酸味があろうがなかろうがそれらは「チョルバ」なのである。
旅行先での食の楽しみは、何も高級レストランに限らない。
世間でB級グルメと言われる、食堂、屋台そしてファーストフードこそ庶民の食生活を体験できるのである。
旅行先でのB級グルメは基本的に現地でしか食べられないものである。イスタンブールにおいて有名なこのB級グルメといえば、旅行ガイドブックでおなじみの「鯖サンド」もしくは「鯖バーガー」が挙げられる。ガラタ橋の南側、エミノニュ(Eminonu)桟橋そばで名物として有名である。内容は鯖の切り身の塩焼きをパンで挟んだもので、レモン汁を好みでかけることもできる。但し、今回はこの鯖サンドは食べる機会がなかった。初日にこの桟橋を歩いた時は既に記したように日の出の時分であり、店は出ていなかったのだ。かつて頬張ったこともあるので、今回は特にこだわらなかった。
イスタンブール及びトルコにおいてのB級グルメ代表格は「ドネルケバブ」である。こちらは、名称はいろいろあるが、すでにヨーロッパ中に浸透したファーストフードである。最近は日本でもお目に掛かれるそうだ。この料理の説明であるが、言葉での表現は難しい。専用の調理器を使用する。縦に固定した肉の塊を回転させて電熱もしくはガスで焼き、焼きあがった箇所を順に削る。そしてそれを薄いパンに野菜やスパイスそして調味料等と一緒に巻いたものである。パンも数種類あり他のものが使われることもある。レストランだと皿に盛って提供するところもある。小生の暮らすブカレストでも「シャオルマ」の名称でポピュラーなファーストフードであり、なかには絶えず客が列をなしている名店もある。小生が食べた最高のケバブは、そのブカレストの店ものとベルリンのレオポルド広場で食べたものであり、イスタンブールで何度か食べたものはそれらを超えられなかった。トルコにおいて國民的ファーストフードであるから名店は必ずあるはずだ。そこには逸品があるに違いないのだが、どこにその名店があるのだろうか。次回は探して訪問したい。読者諸氏の情報も歓迎する。ただ、羊肉がメインで牛肉と鶏肉がそれに続くトルコにおいて、羊肉嫌いの小生の希望は極上の牛肉もしくは鶏肉を名店の必須条件にお願いしたい。
今回が初体験となるB級グルメが「ヒヨコマメご飯」である。これは小生が便宜上つけた名称であり、現地で何と言うかは知らない。内容は炒めたご飯とヒヨコマメというシンプルなもので塩味が絶妙である。オプションとして、塩茹でした鶏肉を裂いたものと、ソースが選択できる。ソースは試さなかったが、鶏肉はリクエストした。胡椒を少しふり掛けてもらったヒヨコマメご飯と鶏肉の料金は共に1YTL(トルコリラ)なので計2YTL。小腹が空いた時にお勧めできる手頃な一品であった。熱い中國茶が合いそうであるが、屋台にはトルコ名物の紅茶「チャイ」のサーヴィスのみであった。
旅先の醍醐味を満足したら、最後の夕食は日本食だ。
油っこいトルコ料理にそろそろ飽きたこともあるが、魚が食べたくなったと言った方が的確か。
ハイアットリージェンシーホテルにある日本食レストラン「豊レストラン」へ向かう。
鹿島建設が建築した日本風もとい日本建築のレストラン。雰囲気は抜群で日本にいるようだ。日本を懐かしく思い出しながら新鮮な刺身と寿司をいただく。米と魚と醤油の有難さをしみじみと思った。
参考サイト
Hyatt Regency Istanbul http://istanbul.regency.hyatt.com/
豊レストラン http://www.yutakarestaurant.com
Labels: 旅行:トルコ Turky
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