ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Sunday, September 17, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 3(グループリーグE 第1節)

2006年9月13日現地時間21:45。ウクライナの首都キエフのオリンピスキースタジアム。
ステアウア・ブクレシュティの10年振りとなるチャンピオンズリーグのグループリーグ初戦がキックオフ。

前日の12日に今シーズンのUEFAチャンピオンオンズリーグは各地で始まった。
ステアウア・ブクレシュティの入るE組の2試合は、この日が初戦である。相手はディナモ・キエフ。第二次世界大戦中にドイツ占領下のキエフでナチスと試合をしたあのディナモ・キエフである。
E組のもう1試合は、フランス・リヨンで同時刻に始まっている。こちらのカードは、オリンピック・リヨンとレアル・マドリー。ヨーロッパマスコミのこの日のE組予想は、リヨンで首位争い、そしてキエフでは3位争いとうものであった。その3位争いの前評判であるが、首位争いの2クラブと異なり、ディナモ・キエフの情報が少ないのでよく分らない。3位争いということなので、実力はほぼ同じかと思いながら、唯一の公平そうな意見を近所に見に出掛けた。ベッティングメーカーによるサッカー籤のオッズである。そこで見た賭け率はディナモ・キエフの1.65倍に対してステアウア・ブクレシュティは、なんと4.15倍。ホームのディナモ・キエフに分があるとは言え2倍以上の差があるではないか。このオッズを見て投票することにした。別に賭け事にしに来たつもりではなかったのだが。応援にも力が入るというものだ。

サッカー籤


試合はステアウア・ブクレシュティが開始3分に1点目をゴール。間もなく同点に追いつかれるものの、終わってみれば1-4と大勝。大きなオリンピスキースタジアムでは夜が更けるにつけ空席が目立っていくのがテレビからもよく分った。

翌14日発行のSPORT TOTAL紙 1面


試合も大勢が決した頃、小生が心配したのが、敗戦濃厚のディナモ・キエフのサポーターのことである。
サッカー観戦は結果としてストレスの発散の場としても活用されているのは、周知の通りだ。彼らにとってこのような試合は鬱憤の貯まる試合であり、期待した発散とは反対に不快感を募らせることになる。そんな時に、アルコールは、それらの鬱憤の発散の手助けを行うことも可能である。

1年前の2005年10月12日。冷たい雨の降るこのスタジアムに小生はいた。
カードはウクライナ代表対日本代表の國際親善試合。結果は1-0でウクライナ代表の勝利であった。途中から10人で戦った日本代表は、ドロー間際の89分にPKで決勝点を奪われ敗れた。MF中田英寿とGK川口以外はまるで活躍しなかった。記憶にそれほど残っていない平凡な試合であった。併し、鮮明に覚えていることがある。それはビールの販売がなされていたことである。アルコール0%のノンアルコールビールのことではない。
ヨーロッパ各國の各スタジアムで試合観戦のためのビールの販売なんて聞いたことがない。
一人当たりの年間ビール消費量世界第1位のビール王國チェコにおいてもノンアルコールビールのみ販売されている。2004年春、日本代表の試合をプラハで観戦した際にその点を販売員に尋ねると「サポーターは過激だからね。でもノンアルコールビールでも美味しいよ」と涼しい顔をしていた。ルーマニアにおいては、さきの予選リーグ観戦の際にはコーラしか販売されていなかった。それも2ℓの決して冷えていないペットボトルのコーラをコップに注いでの販売。良い商売だと思った。ノンアルコールであろうとビールはご法度というのがルーマニア流かもしれない。次回に調べるとしよう。
この異例とも言えるサーヴィスのあるウクライナのサッカー観戦は、翌朝のスポーツ紙にも紹介されていた。ルーマニア人ジャーナリストもさぞかし驚いたのであろう。堂々とした写真と見出しである。

翌14日発行のEURO FANATIK紙特別版 8,9面
"CU BEREA LA MACI"
「ビールで試合観戦」

このオリンピスキースタジアム。大きいせいか、天気のせいか、小生が観戦した際は全席の25%程度しか埋まらなかったのであるが、警備に来ていた各種警察関係者は推定で500人はいた。騎馬隊も数隊配備されていた。その大多数が暇そうにしており、ルーマニア人がサッカー観戦でするように、ヒマワリの種を食べていたのが印象的だった。大量の殻は、ルーマニア全土でそうであるように素直に引力に従っていた。そしてビールを運ぶ小生を見る彼らの恨めしそうな青い瞳も忘れられない。ビール販売のもたらす騒ぎを想定した警備力だと納得したものだ。それも抑止力と言う点でである。この夜のディナモ・キエフのサポーターにとっても席を立つと、酔いが覚める思いがしたことであろう。
事情を知っている小生が少々心配したのは、観客の数がその時と大きく違うことであった。今考えると、1000人以上の警察関係者が配備されていたのかもしれない。

ところで、リヨンでの一戦はホームのリヨンが2-0のスコアでレアル・マドリーに完勝。試合のダイジェストをテレビで見たがフランスリーグ5連覇中のこのクラブは、試合で圧倒していた。2点で終わったのが不思議なくらいである。ステアウア・ブクレシュティの次節は9月26日にこのオリンピック・リヨンをブカレストに迎えて行われる。小生はスタジアムで観戦予定だ。

参考サイト
SPROT TOTAL http://www.spt.ro/

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