ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Wednesday, December 06, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 8(グループリーグE 第6節)

UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグもいよいよ最終の第6節。
ステアウア・ブクレシュティの今夜の相手は、オリンピック・リヨン。
この試合の結果に関わらず、それぞれグループリーグの第3位、第1位が確定している。簡単に言えば消化試合でもある。事実オリンピック・リヨンは主力数人を温存したスターティングメンバーを揃えた。一方の我がステアウア・ブクレシュティは、変わらず本気で臨む。勝利するとそのボーナスの支給がある。額の詳細は知らないが、ルーマニアにおいては特に大した額になるはずである。また、欧州が注目するこのUEFAチャンピンズリーグには、欧州中のクラブから視線を集める。活躍次第では移籍に繋がることもある。

満員のアウエイのスタジアムで、気合の入ったステアウア・ブクレシュティは、なんと試合開始2分に先制点を挙げた。これは幸先の良いことだ、と自宅でテレビ観戦の小生の室温保存していたビールが美味くなった。冷蔵庫に入れておくのを忘れたのだ。因につまみはチーズとサラミ。スルメやチクワがあれば良いのだが、近所のスーパーマーケットでは売っていない。ステアウア・ブクレシュティの先制点から10分後、オリンピック・リヨンは、コーナーキックからのセットプレーで得点。その後は試合終了までステアウア・ブクレシュティが押し気味に試合を進め、終盤にはオリンピック・リヨンも次々に主力を投入。何度か決定的チャンスを得たステアウア・ブクレシュティであったが、それらを生かせず得点を重ねることができない。試合結果は1-1のスコアドロウ。惜しい試合だった。

6試合を戦って1勝3敗2引き分けで勝ち点5の第3位。この後の決勝トーナメントには各グループリーグの上位2チームが進むが、第3位の各チームはUEFAカップの決勝トーナメントへ出場権を得る。ステアウア・ブクレシュティは、この欧州で2番目の格のあるUEFAカップで昨季準決勝まで進んでおり縁起の良い大会である。ルーマニアの國内リーグが春まで冬期休暇中ということもあって、ステアウア・ブクレシュティの新年の初戦はこのUEFAカップの決勝トーナメント第1戦(2月14日もしくは15日)となる。

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Wednesday, November 22, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 7(グループリーグE 第5節)


観戦チケット


UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグは4チームで争われ、ホームアンドアウェイ方式で計6試合が行われる。各チームはホームとアウェイそれぞれで3試合行うことになる。E組の第5節が行われたこの夜はステアウア・ブクレシュティのホームゲーム3戦目であった。今季のチャンピオンズリーグは既に前節で本選への道が閉ざされたステアウア・ブクレシュティであるが、この夜の相手ディナモ・キエフとの3位争いは、重要な一戦なのである。

UEFAチャンピオンズリーグと同じくUEFAが開催するクラブチームの大会にUEFA杯というものがある。こちらはチャンピオンズリーグには格では劣るものの、実質は第2の大会である。現在UEFA杯もグループリーグが行われており、12月初旬にそれを終えた後は来年の2月20日に始まる決勝トーナメントという日程になっている。UEFAチャンピオンズリーズのグループリーグ8組のそれぞれの第3位のチームは、このUEFA杯の決勝トーナメント第一回戦から参戦できるのだ。このような事情でこの夜の一戦はただの3位争い(もしくは最下位争い)ではなかった。

今回の顔合わせでは、既に第1節でステアウア・ブクレシュティが敵地キエフにて1-4で大勝していることを、このウエブログでも知らせてある。その後、両チームは勝利がなかった。つまり、ステアウア・ブクレシュティは1勝3敗、ディナモ・キエフは4敗という成績である。この試合ステアウア・ブクレシュティが勝利するか引き分ければ、第3位確定ということになるのだ。


選手入場


試合は、キックオフからステアウア・ブクレシュティが前半20分頃まで猛攻をかけるがゴールを奪えない。冬の夜空の下のスタジアムは熱気のなかに何度も溜息が繰り返される。落ち込む間もなく次の攻撃が続くというのは、息が付けない流れだ。ここ3戦はオリンピック・リヨンやレアル・マドリーという強豪相手だったので、このような畳み掛ける攻撃とは無縁であったのだ。併し、猛攻を見せるも、初ゴールはディナモ・キエフに許してしまう。29分にチェルナットのフリーキックがそのままステアウア・ブクレシュティのゴールに刺さった。賢明な読者諸氏はお分かりであろうが、チェルナットとはルーマニア人の苗字である。このチェルナットもディナモ・キエフで活躍するルーマニア人で、その前はルーマニアリーグのディナモ・ブクレシュティに在籍していた。ステアウア・ブクレシュティの永遠のライヴァルのチームである。なんともいえない雰囲気がスタジアムに漂い、熱気はすぐに冬の夜に冷やされた。

ディナモ・キエフのサポーターは隣國ということもあってか、オリンピック・リヨンやレアル・マドリー戦に比べてほぼ2倍の席が宛がわれていた。横断幕で囲われ上記の2チームの時とは違う雰囲気である。チェルナットのゴールが決まった際には発炎筒が10数本焚かれた。相手チームのサポーターには持ち込みチェックも甘くなるのかと思っていたら、小生の近くでブラスティックのコップが行き来してコーラが注がれている。2.5リットル入りのペットボトルが見えた。中身のあるペットボトルは蓋をして投げれば立派な武器になるので、持ち込みは許されないのだが、この日は他にも半リットルサイズの水や清涼飲料水のペットボトルをいくつか見かけた。

一方試合は69分にはニコラエ・ディカの同点シュートで一矢を報いたステアウア・ブクレシュティが、その後のディナモ・キエフの猛攻に耐えて引き分けで終えた。この猛攻の中、ステアウア・ブクレシュティのゴールにネットが2度揺れたのだが、それぞれ、選手への反則とオフサイドということでゴールは認められなかった。

この夜の一戦で特筆する出来事が4つあった。
まず一つ目は、ステアウア・ブクレシュティに追いつかれた直後から10℃に満たないスタジアムでディナモ・キエフのサポーターが上半身の衣服を脱ぎスタジアムの一部が白色化していた。因に小生の目からは女性もがいたかは未確認である。二つ目は、さきにも触れたが発炎筒の存在である。ステアウアの・ブクレシュティのサポーターも持ち込んでおり、スタジアムの一部で脱衣が始まった頃数本が焚かれた。ペットボトル持込同様、冬服ゆえに隠しての持ち込みが容易だったのであろう。一方でライターの持ち込みは禁止されている(マッチはどうか知らないが)が、こちらは小さいのでさらに簡単であろう。ライター及びマッチの持ち込みが徹底されればスタジアムは完全禁煙になることは小生には嬉しいのだが。三つ目は、65分にピッチの外の選手に警告(イエローカード)が出されたことだ。こういうことがあるのは知っていたが、テレビ観戦を含めて初めてのことだった。このディナモ・キエフの選手は、78分にチェルネアと交代でピッチに入った。最後の四つ目は、乱闘である。取り分け熱狂的なサポーターで込み合うゴール裏の区画で起こった乱闘は30分ほど続いていた。小生は向こう正面の区画で観戦していたのが、端の方であったため該当区画と網越しに接せしていた。故に良く見えたのだが、原因を含めて何が起こったのかは分からない。恐らくはステアウア・ブクレシュティのサポーター同士であろう。仲間割れは、ゲームに水を注すだけだ。


発煙筒が焚かれる


こうして、ステアウア・ブクレシュティの今季UEFAチェンピオンズリーグのホーム試合は終わった。残りの1戦オリンピック・リヨンとのアウエイである第6節(12月6日)があるが、消化試合と思わずに良い結果を出してもらいたいものだ。ホームでの3試合で350RONのチケットを購入したのだが、0勝2敗1引き分け(2ゴール)の戦果でも随分と楽しむことが出来た。

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Saturday, November 04, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 6(グループリーグE 第4節)

ステアウア・ブクレシュティが10年ぶりにグループリーグへ出場を果たした開催中の今季のUEFAチャンピオンズリーグ。ルーマニアのクラブとしても実に10年ぶりの出場となる。
4チームで争われるグループリーグも前節で一巡が終わり、この第4節からは2度目の顔合わせとなる。ステアウア・ブクレシュティは2週間前にホームに迎えたレアル・マドリーに1-4のスコアで大敗を喫していたことから、この日サンチャゴ・ベルナベウで行われる同じカードでのステアウア・ブクレシュティへの前評判も大変厳しいものであった。

小生は日本からのお客様との仕事もありマドリッドまで出掛けるわけにもかいかずテレビ観戦となったが、なんとテレビからはステアウア・ブクレシュティへの声援が聴こえてくるではないか!これは、当地の中継局の実況者や解説者という意味ではなく、スタンドからの声援である。中継では、このサンチャゴ・ベルナベウのスタジアムは65000人収容可能であること、今夜は15000人のステリストが詰め掛けているとのことだ。名誉ある欧州最高位の大会であり、世界的に人気クラブのレアル・マドリーのスタジアムにアウェイチームのサポーターが大挙して観戦に来ているのである。この数字は率にして23%だ。通常のサッカーの試合はアウェイである相手チームのサポーターに宛がわえる座席数は少数のものであるのに対し、この夜のレアル・マドリーサポーターは異なる雰囲気を味わったであろう。

試合はステリストの大声援の中、ステアウア・ブクレシュティが2週間前とは違った動きを見せた。前評判云々以前にもともと格が違う相手であるから善戦が精一杯と見られていたが、その精一杯をやってのけたといっても良い。結果は1-0でレアル・マドリーの勝利となったのだが、この1点はオウンゴール。レアル・マドリーの選手にはゴールを割らせなかったことは、格の違いから言っても大したものだと小生は考える。レアル・マドリーも決定的な好機を数回逃していたのだが、この試合は今後のリーグ戦だけでなく将来への大きな糧になるであろう。

ところで、テレビ中継の実況と解説は大変面白い。読者諸氏が容易に想像できる「叫び」だけではない。
映像の制作はスペインの放送局が提供しているのだが、音声の担当はルーマニアの放送局である。それゆえに贔屓の引き倒しと十分にいえる内容だ。日本であれば、プロ野球中継などにもそのような発言はあるが応援程度と割り切れるし、一応は公平な見地からの実況及び解説が行われている。一方、今回のサッカー中継は國際試合であるので贔屓の引き倒しが許されたのかも知れない。面白い表現がいくつかあった。「東欧から来たバルセロナ」。これは、ステアウア・ブクレシュティのユニホームの配色がスペインリーグのバルセロナと同じ赤と青であるところからだ。補足すると、スペインリーグにおける伝統の一戦は、レアル・マドリーとバルセロナの戦いであり、「El Clasico」と知られている。またステアウア・ブクレシュティの選手が一対一でボールを奪われると、「仕方ない。相手の方がサッカーを知っている」と格下を容認する。反対にステアウア・ブクレシュティの選手が好プレーで相手からボールを奪った時は「彼は(その相手より)14歳年上だから、サッカーを良く知っている」と解説者が言えば、合いの手を入れるように実況者が「でも、収入は相手の方が何千倍ですよ」と発言し二人で笑い声が放送されるのである。

敗戦とはいえ予想以上に健闘したステアウア・ブクレシュティのグループリーグ次の相手は、第1節において敵地で大勝した相手ディナモ・キエフをブカレストに迎えての一戦である。11月21日の21:45キックオフなので、極寒の中での観戦になるであろうが、小生は駆けつける。

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Friday, October 20, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 5(グループリーグE 第3節)

観戦チケット使用前
グループリーグ3戦のチケットは透かし入りである


直前の週末からブカレストは秋が急に深まったかのような寒さに見舞われた。その一週間前から既に陽の無い時間は10℃前後だったので部屋の温水暖房を使用していたが、日中にもその温かさに頼らなければならない時期になったのだ。冬は間もなく来るのだろう。
こんな気候の中、サッカー観戦に出掛けた。キックオフは前回同様21:45。盛り上がる試合前のスタジアムの熱気だけでは暖は取れない。今夜のステアウア・ブクレシュティの相手はレアル・マドリーである。銀河系軍団との異名を取るスペインリーグの名門で日本でも知られたクラブある。私見では、この夜の相手を前節のオリンピック・リヨンよりは低評価をしていた。その理由はレアル・マドリーが第1節でオリンピック・リヨンに2-0で敗退したというだけの理由ではない。両者とも強豪には間違いがないのだが、組織力という点でフランスチャンピンが勝っていると考えているからだ。その分スキが出来ると考えたのだ。
小粒なプレイヤー揃いのステアウア・ブクレシュティは、組織力で100%の力を出さなければ、ヨーロッパの強豪とは渡り合えない。相手のミスに乗じることは初めから期待するものではないし、強豪ほどミスを犯さないものだ。つまり、こちらがミスをすると致命傷になる。ノーミスで互角に近づくことが出来て、相手のミスに乗じるのが勝利への必須条件と思える。消極的ではあるが、これが、ステアウア・ブクレシュティのサポーターの一般的な声である。

寒いスタジアムでは、先制点を許したステアウア・ブクレシュィのせいで、急激に寒くなった。その後もゴールを許し、ますますスタジアムは冷える。時間的にも真夜中に近づくのでその相乗効果もあるのだろう。
ステアウア・ブクレシュティが1点を返した時は一時的に湧いた。確かに少し温かくなった。併し、その時点でスコアは1-3。64分(後半19分)ということを考えると、運を味方につけてようやく引き分けかと思われたが、その12分後に4点目のゴールを献上すると、それまで以上に冬の訪れを感じたのである。

熱狂的なステリストが好むゴール裏席
冬の装いだ


ところで、幼少から阪神タイガースのファンである小生は、昨今のタイガースの活躍を嬉しく思う。同時に暗黒時代とも言われる低迷期の際も応援して続けていたせいか、贔屓のチームの成績に対しての我慢強さも身についている。昨今の読売巨人軍の低迷でファン離れが深刻な問題にされているとの報道を悲しく思う。成績が芳しくない時こそ、声援を送るべきであろう。その点、寒さが増すばかりのスタジアムであったが、満員のサポーター達はチャンスの度に立ち上がり盛り上がり、ミスの度に大声で怒鳴る。散発的に熱を発する姿を近くで見ていると、甲子園球場の阪神ファンを思い出した。

銀河系軍団の有名選手、デイヴィット・ベッカムとロナウドが、それぞれ71分、78分に途中出場したのは、恐らくサーヴィスであろう。このグループリーグの各試合の入場料は3試合とも異なる。小生の持つ向こう正面の席で200RON、100RON、50RONとなる。対レアル・マドリーからディナモ・キエフまで半額ずつの値下げである。因にこの2選手は、殆ど活躍していなかった。試合の大勢が決まったあとの出場且つサーヴィスであるからかと、小生は邪推している。

サッカーも野球もそうであるが、スポーツはミスやエラーというものが試合の流れを左右し、結果にまで作用することもしばしばだ。大差のついている試合ならば、それに頼る可能性は限りなく小さいが、それをも信じて待つファンというのは、やはりいるものだ。森羅万象が「信じるものは....」の言葉の通りになるとは考えないが、次節も信じてみよう。
ステアウア・ブクレシュティの次節は再びレアル・マドリーとの対戦。11月1日に敵地サンチャゴ・ベルナベウでのアウエー戦である。温水暖房の効いた部屋で冷えたビールと一緒にテレビ観戦になるだろう。温水暖房に頼らずに済むような熱くなれる試合を期待したい。それは勿論、酔いだけに頼らずである。そうなるとガス代も助かる。

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Wednesday, September 27, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 4(グループリーグE 第2節)

観戦チケット
右側に2枚の半券があった


この夜観戦した試合は、5年連続フランスチャンピオンを続けるオリンピック・リヨンを迎えてのホームゲームである。2005年12月から改修中であったステアウア・ブクレシュティのホームスタジアムでの記念する初戦でもあった。
オリンピック・リヨンはホームで行われた第1節をレアル・マドリー相手に2-0で完勝しており、その日キエフで大勝したステアウア・ブクレシュティと並んで勝ち点3で並んでいた。この夜の試合に勝った方が勝ち点6ということでグループ内の4つのクラブで首位を堅持できるのである。
大入りとなったステアウア・スタジアムでは、ほんの一角のみがオリンピック・リヨンのサポーターであったが、その殆どがスーツ姿であった。これは現在ブカレストで行われているフランコフォニック会議の出席者であろう。
21時45分キックオフという時間が、ブカレストから西に車で3時間の距離にあるクライオヴァに日帰り出張を終えたばかりの小生には有難かったが、前夜4時間の睡眠であった小生には疲労の原因になることは容易に想像がついた。しかも、試合に負ければなおさらである。

満員の新スタジアムはルーマニアのスタジアムとしては第一級のもので、外國で中継されても恥ずかしく無いといえる出来栄えであった。きれいな芝のピッチとそれを照らすカクテル光線が美しかった。このようなスタジアムには試合前からただならぬ熱気があった。

試合前のセレモニー


同行した友人は試合前に言った言葉が印象的であった。
「ルーマニアのスタジアムでこれほど興奮した雰囲気は初めてだ」
彼はシーズンチケットを購入しているほどの熱心なサポーターである。ステアウア・ブクレシュティのサポーターを、特に熱心なサポーターをルーマニア語では「ステリスト」という。小生も彼もステリストだ。

なるほど、小生も予選リーグでもステリストで満員のスタジアムを経験したが、この夜は違った雰囲気が感じられた。何よりも相手が違った。フランス代表やブラジル代表が何人も活躍するクラブである。

試合の経過を簡単に紹介する。
前半終了直前にステアウア・ブクレシュティのゴールキーパーがキャッチングミスをして先制を許した。強豪相手にミスするようでは勝てないものだ。小生は100%の力を出してようやく辛勝できると踏んでいただけに、非常に残念であった。後半にはコーナキックからの失点で0-2となり、終了間際にも1点を献上して0-3の完敗であった。

報道によると観戦したステアウア・ブクレシュティ会長のジジ・ベカリー氏はこう発言したそうだ。
「15分観戦して、このチームとは100年戦ってもゴールを奪えない」。
前半はそれなりに互角ではあったが、後半は息切れの様子であった。体力だけでなく、集中力が散漫と言えば良いか。正直、オリンピック・リヨンの選手の活躍には舌を巻いた。素晴らしい動きと技術をこの夜に見た。

小生が考える敗戦の原因は、ステアウア・ブクレシュティ得意のサイドからの攻撃が全く封じ込められたこと。併し同行の友人は「力の差」で片付けてしまった。それを言ってしまえば、元も子もない。

併し、意外なことに敗戦濃厚の時間帯になっても家路を急ぐサポーターが殆どいなかった。前節のキエフのスタジアムでの一戦をテレビで観戦した時には空席が見る見るうちに増えていったのと対照的だ。
そして、試合が終われば、野次が飛ぶわけでもなく拍手で両チーム選手の退場を迎えていた。暫くして日付が変わり、スーツ姿の相手チームの関係者がピッチの脇を通って帰る時にも、まだいたステアウア・ブクレシュティのサポーターがフランス語で労いの言葉を掛け、オリンピック・リヨンの会長が手を振るといった微笑ましい光景があった。試合中の野次からは考えられないこれらの光景に驚いたものだ。観客が帰り、寒空の下ではあったが、爽やかな気分に浸れた。

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Sunday, September 17, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 3(グループリーグE 第1節)

2006年9月13日現地時間21:45。ウクライナの首都キエフのオリンピスキースタジアム。
ステアウア・ブクレシュティの10年振りとなるチャンピオンズリーグのグループリーグ初戦がキックオフ。

前日の12日に今シーズンのUEFAチャンピオンオンズリーグは各地で始まった。
ステアウア・ブクレシュティの入るE組の2試合は、この日が初戦である。相手はディナモ・キエフ。第二次世界大戦中にドイツ占領下のキエフでナチスと試合をしたあのディナモ・キエフである。
E組のもう1試合は、フランス・リヨンで同時刻に始まっている。こちらのカードは、オリンピック・リヨンとレアル・マドリー。ヨーロッパマスコミのこの日のE組予想は、リヨンで首位争い、そしてキエフでは3位争いとうものであった。その3位争いの前評判であるが、首位争いの2クラブと異なり、ディナモ・キエフの情報が少ないのでよく分らない。3位争いということなので、実力はほぼ同じかと思いながら、唯一の公平そうな意見を近所に見に出掛けた。ベッティングメーカーによるサッカー籤のオッズである。そこで見た賭け率はディナモ・キエフの1.65倍に対してステアウア・ブクレシュティは、なんと4.15倍。ホームのディナモ・キエフに分があるとは言え2倍以上の差があるではないか。このオッズを見て投票することにした。別に賭け事にしに来たつもりではなかったのだが。応援にも力が入るというものだ。

サッカー籤


試合はステアウア・ブクレシュティが開始3分に1点目をゴール。間もなく同点に追いつかれるものの、終わってみれば1-4と大勝。大きなオリンピスキースタジアムでは夜が更けるにつけ空席が目立っていくのがテレビからもよく分った。

翌14日発行のSPORT TOTAL紙 1面


試合も大勢が決した頃、小生が心配したのが、敗戦濃厚のディナモ・キエフのサポーターのことである。
サッカー観戦は結果としてストレスの発散の場としても活用されているのは、周知の通りだ。彼らにとってこのような試合は鬱憤の貯まる試合であり、期待した発散とは反対に不快感を募らせることになる。そんな時に、アルコールは、それらの鬱憤の発散の手助けを行うことも可能である。

1年前の2005年10月12日。冷たい雨の降るこのスタジアムに小生はいた。
カードはウクライナ代表対日本代表の國際親善試合。結果は1-0でウクライナ代表の勝利であった。途中から10人で戦った日本代表は、ドロー間際の89分にPKで決勝点を奪われ敗れた。MF中田英寿とGK川口以外はまるで活躍しなかった。記憶にそれほど残っていない平凡な試合であった。併し、鮮明に覚えていることがある。それはビールの販売がなされていたことである。アルコール0%のノンアルコールビールのことではない。
ヨーロッパ各國の各スタジアムで試合観戦のためのビールの販売なんて聞いたことがない。
一人当たりの年間ビール消費量世界第1位のビール王國チェコにおいてもノンアルコールビールのみ販売されている。2004年春、日本代表の試合をプラハで観戦した際にその点を販売員に尋ねると「サポーターは過激だからね。でもノンアルコールビールでも美味しいよ」と涼しい顔をしていた。ルーマニアにおいては、さきの予選リーグ観戦の際にはコーラしか販売されていなかった。それも2ℓの決して冷えていないペットボトルのコーラをコップに注いでの販売。良い商売だと思った。ノンアルコールであろうとビールはご法度というのがルーマニア流かもしれない。次回に調べるとしよう。
この異例とも言えるサーヴィスのあるウクライナのサッカー観戦は、翌朝のスポーツ紙にも紹介されていた。ルーマニア人ジャーナリストもさぞかし驚いたのであろう。堂々とした写真と見出しである。

翌14日発行のEURO FANATIK紙特別版 8,9面
"CU BEREA LA MACI"
「ビールで試合観戦」

このオリンピスキースタジアム。大きいせいか、天気のせいか、小生が観戦した際は全席の25%程度しか埋まらなかったのであるが、警備に来ていた各種警察関係者は推定で500人はいた。騎馬隊も数隊配備されていた。その大多数が暇そうにしており、ルーマニア人がサッカー観戦でするように、ヒマワリの種を食べていたのが印象的だった。大量の殻は、ルーマニア全土でそうであるように素直に引力に従っていた。そしてビールを運ぶ小生を見る彼らの恨めしそうな青い瞳も忘れられない。ビール販売のもたらす騒ぎを想定した警備力だと納得したものだ。それも抑止力と言う点でである。この夜のディナモ・キエフのサポーターにとっても席を立つと、酔いが覚める思いがしたことであろう。
事情を知っている小生が少々心配したのは、観客の数がその時と大きく違うことであった。今考えると、1000人以上の警察関係者が配備されていたのかもしれない。

ところで、リヨンでの一戦はホームのリヨンが2-0のスコアでレアル・マドリーに完勝。試合のダイジェストをテレビで見たがフランスリーグ5連覇中のこのクラブは、試合で圧倒していた。2点で終わったのが不思議なくらいである。ステアウア・ブクレシュティの次節は9月26日にこのオリンピック・リヨンをブカレストに迎えて行われる。小生はスタジアムで観戦予定だ。

参考サイト
SPROT TOTAL http://www.spt.ro/

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Thursday, August 24, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 2(予選第3回戦第2試合)


観戦チケット
入鋏済み


昨夜は2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ(予選第3回戦第2試合)を観戦した。
試合開始は20:30からと遅い感もあるが、夏場の欧州は陽が長い。とは言え、夏至から2ヵ月も経つと試合開始頃は薄暗くなる。会場である通称ナチオナル・スタジアムは、ナチオナル2000というチームの本拠地であるのだが、ステアウア・ブクレシュティのホームスタヂアムであるゲンチェア・スタジアムが今月まで改修中なのでその代替会場として使用されている。反面、収容観客数はブカレストで最も多いので、このような国際試合にはホームゲームとしても都合が良い面もある。本日の新聞報道によると45000人の観衆を集めたとのことだ。因にテレビのニュースでは55000人と報道されていた。そのうち殆が地元チームの応援である。はるばるベルギーから来た、もしくはルーマニアに暮らすベルギー人で構成されたであろうスタンダール・リージェのサポーターは、200人程度が四方保安員もしくは壁によって囲まれており、その声援はほぼ全てが掻き消されて聞えてこなかった。

上の写真は使用済みの観戦チケットである。キャプションには便宜上入鋏済みと記したのだが、見ての通り両の手で千切ることで入場が許可される。小生のチケットは入場の際に特別にお願いしたので写真の通りに2枚にならずに済んだ。スタジアムに入るまでに3度の検問がある。

最後のそれは観戦チケットの改札であるが、同時に身体検査も行われる。改札前の初めと2度目は観戦チケットの提示と身体検査であるが、それは保安の観点からの実施だ。携帯が認められない危険品とみなされるものが当然ながらその対象になりうる。初めの検問では所持品検査が行われる。没収までに及ばないが、権利放棄を迫られ実行した観客が残したペットボトルやライターが検問付近に積み上げられている。地面に散らかっていると表現しても良い。それらは、その場で飲み干した空のペットボトルばかりではなく、開封未開封問わずにまだ残っているものが多数。因にそこに転がる殆どのペットボトルは1.5ℓもしくは2ℓサイズである。どうしても持ち込みしたい観客はペットボトルの上部を切断して筒状に工作して携帯を認めてもらっている。ここでお気づきと思うが、この切断には刃物が用いられる。彼等はカッターナイフを利用したのだが、これは彼等のものである。決して保安要員のものではない。先日のロンドン・ヒースロー空港の騒ぎを思い列に並んだ小生は、この矛盾に微笑んでしまった。ルーマニアらしいからだ。

ペットボトルは中を満たし栓をすることで悪意を持つと武器に変身する。内容が飲料であってもその重量を以って凶器になる。1ℓ入りのペットボトルを投げつけると1kgの鉄アレイの代用になりうるということだ。2つ目の検問は初回の検問から20mほど先にあったが、この時点で栓付ペットボトルは皆無になっている。観戦チケットの提示と初回同様に衣類の上からの身体検査が行われる。そして最後の検問が観戦チケットの改札と身体検査。この列は一列ではなく、例えるならば検問ゲートを要とした扇状。

ここでは、千切られた観戦チケットの左側と少数のライターが地面を覆っている。そしてコインがいくつも落ちていたのが印象的だった。ルーマニアでお金が落ちていることは滅多に出会えない。落とす人はいるであろうが、すぐに気付いた人が回収するからであるからだと思う。

試合内容には多く触れないが、小生の贔屓するステアウア・ブクレシュティは前半2分に先制を許すも逆転勝ち(2-1)で1996‐97シーズン以来10年ぶりのUEFAチャンピオンリーグのグループリーグ(32強)へ駒を進めたことになる。記憶が確かならルーマニア勢としてもそれ以来のグループリーグ参戦である。熱狂的な応援に囲まれての観戦は小生自身鼓舞された。それは典型的な欧州のサッカー応援スタイルといえよう。だが決してお行儀の良いものではない。併しファンも戦っているのだ。野暮なことは言わないでおこう。そして一夜明けた今日24日のルーマニア時間19:00からグループリーグの組み合わせ抽選会がモナコ・モンテカルロで行われた。小生も1998年春に訪問したことがあるオウデトリウムという国際会議場である。因にこのオウデトリウムの真下がF-1モナコグランプリのトンネル部分にあたる。小生はモナコグランプリのコースを逆に歩いてトンネルの「出口」から入り、トンネル内にある入場口へ向かったことがある。この組み合わせ抽選会をルーマニアの民放テレビ局PRO TVでは、ニュース番組を特別編成行い、生中継でこの抽選会を放映していた。ステアウア・ブクレシュティのオーナーであるジジ・ベカリー氏とも同時中継で結ぶ手の入れようだ。余談だが、ジジ・ベカリー氏は大変な資産家でもあるが、氏の評判は芳しくない。「羊飼い」のニックネームで揶揄される彼は土地成金であるとは、何人ものルーマニア人が話してくれた。察するにやっかみであるのだろう。小生は氏の所有するメルセデス社のマイバッハという高級車を見かけたことがある。携帯電話片手の氏は後部座席に居らず、なんと片手でステアリングを握っていた。「運転手」がいないのである。今朝のテレビニュースでスタジアムを後にしようとする車からの氏のインタビューでも彼は運転席にいた。「高級車中の高級車なので、運転手の成り手がいないのかもしれない」とはルーマニア人知人の言葉。小生は氏とレストランで鉢合わせたこともある。握手を交わして少し談笑しただけだが、氏の手の厚さと温かさは、農民のそれに似てごつごつしており意外であった。

さて、グループリーグの組み分け抽選会であるが、ステアウア・ブクレシュティはE組に編入された。同組には銀河系軍団として世界中に知られたレアル・マドリー、フランスリーグ5連覇中の名門オリンピック・リヨン、隣国ウクライナのディナモ・キエフの3チーム。レアル・マドリーがブカレストに来て本気で試合をする。これは楽しみだ。手元に観戦チケットはまだ無いが、ジダンが引退してもロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカムそして、本年のFIFAワールドカップ優勝イタリアチームの主将を務めたカンナヴァーロ等の有名選手を間近に世界一流のプレーを観戦できる機会が出来ると思うと本当に楽しみである。ステアウア・ブクレシュティはこの組で次へ進出なるのか。乞うご期待。


試合後
発炎筒の代わりに新聞紙等に着火 喜びを表すサポーター



本日24日発行のLIBER TATEA誌より
左下にジジ・ベカリー氏の写真が掲載されている。


上の写真の一部を拡大

ステアウア・ブクレシュティの監督(Antrenor)にCosmin Olăroiuの名前が見える。J・リーグのジェフ・ユナイテッド市原に選手として在籍(1999年から2001年)したAurelian Cosmin Olăroiuである。


参考サイト
UEFA(欧州サッカー協会連合) http://jp.uefa.com/
PRO TV  http://www.protv.ro/
LIBER TATEA  http://www.libertatea.ro/

 

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Tuesday, August 22, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ(予選第3回戦第2試合)

観戦チケット
(TRIBUNA IIとは、向こう正面スタンド)


この夏はFIFAワールドカップドイツ大会があり、期間中ドイツはもとより出場國はさぞ沸いたことは周知の報道の通りである。小生の暮らすルーマニアはサッカーでは少々知られた國ではあるが、1998年フランス大会にベスト16進出以来、2002年の日本・韓國大会に続いて今年のドイツ大会も予選で敗退。4年も先のことではあるが、次の南アフリカ大会が楽しみである。

サッカーの盛んな欧州ではFIFAワールドカップと2年の間隔をおいてUEFA欧州選手権が開催されることは日本でも知られてきたように思う。次回の大会EURO2008はスイスとオーストリアの2國開催であり、その予選は先週から開始されている。G組に入ったルーマニアの第1戦は9月2日に隣國ブルガリアを迎えてのホームゲームとなる。コンスタンツァという黒海沿岸の街での試合であるが、時間があれば観戦に出掛けよう。

一方で欧州でのサッカー人気の根幹となるのが各國クラブで競う國内リーグであることは間違いないが、それは必ずしも自國のリーグだけとも限らない。経験上欧州各國では、他國のリーグのテレビ中継を行っている。ルーマニアにおいても自國リーグ以外に英國、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダそしてトルコ等のリーグの試合が中継されているのを見たことがある。

今月に入り、欧州のサッカー界は自國のリーグを始め、各種大会もまたスタートしたのである。 その中でクラブチームの欧州一決定戦であるのがUEFAチャンピオンズリーグである。小生の贔屓するクラブであるステアウア・ブクレシュティは、前季の國内リーグ優勝が出場権を齎せた今回の2006‐07シーズンにルーマニアから出場する唯一のチームである。 ところで、このクラブの名を日本でも取り分け古いサッカーファンは憶えていることと思う。1985‐86シーズンに前身大会である欧州チャンピオンズカップに優勝して欧州一となり、続いて欧州と南米のクラブチャンピオンが東京でクラブ世界一の称号を賭けて戦うインターコンチネンタルカップの別称で知られるトヨタ 欧州/南米カップ(現FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン)に出場(敗退)しているからだ。

UEFAチャンピオンズリーグは、決勝戦以外はホームアンドアウェイ方式の2試合を同一チームと戦う。ステアウア・ブクレシュティは先週ベルギーで予選3回戦第1試合を済ませているが、結果はスタンダール・リージェと2‐2のスコアで引き分けに終わっている。この大会は2試合の合計勝敗が結果に繋がるのだが、共に一勝一敗や2試合とも引き分けの場合には合計ゴール数が重要視される。その際にはアウェイ試合でのゴール数が決め手になる(アウェイゴール方式)。これでも埒が明かない場合は2戦目に延長戦が与えられ、その後はペナルティキック戦という順を辿ることになる。

ステアウア・ブクレシュティにとっては負けない限り、つまり引き分けでも有利である。因に3‐3以上の引き分けだとスタンダール・リージェが次戦のグループリーグへ進出することになる。ホームゲームというのも心強い。その第2試合が今夜ブカレストで行われる。今から観戦が楽しみである。晴れるかな。


参考サイト
UEFA(欧州サッカー協会連合) http://jp.uefa.com/ 


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