コンスタンツァ旅行 Constanţa, Romania
Constanţaは港町である。黒海に面したルーマニアの数少ない港のなかで最大規模を誇る。ルーマニアの海の玄関口であり荷揚げされたコンテナ等は、Constanţaが起点となるヨーロッパ第4回廊を通じて國内外へ流通するのである。
ルーマニアの東は黒海であり、Constanţaはその港町であるわけだから、つまりヨーロッパの東端と来たといえる。小生がこの地を訪問したのは今回が3度目である。前回は2001年の9月であったので、実に5年ぶりの訪問である。市営交通に真新しいバスが採用されていたり、郵便局が近代的なビルに組み込まれた街並みを見てこの街においても、豊かさの向上を伺うことができた。一方で港の北端に位置する旅行者が訪問する小さな地域は、5年前と大して変わらず旅行者の少ない時節柄かひっそりと佇んでいた。
この小さな地域には博物館、水族館、ジェノヴァ人の灯台、ギリシャ及びローマ時代の遺跡、そしてイスラム寺院が集中している。中でも有名な観光スポットがカジノである。海辺に突き出して建設されたカジノの正面はカテドラルのように堂々としている。1910年に完成後1985-87年に改装されているが、一見の価値があるといえる。現在はレストランとしても利用されており、夏場は海側のテラスで迫る波に洗われるような中、冷えた白ワインを楽しみたくなる雰囲気である。
ところで、ルーマニアの黒海沿岸には2つの地方行政管轄下におかれ、ウクライナとの國境をUNESCO世界自然遺産で有名なドナウデルタで接するTulcea県が北側、その南側ブルガリアまでの地域がConstanţa県となるが、これらをほぼ併せた地域をドブロジャ地方と呼ぶこともしばしばである。
ドブロジャ地方は歴史的に民族の移動が頻繁に行われたせいか、ルーマニアの他の地域よりも多民族が暮らしている。その象徴たるものが1910年に建設されたイスラム寺院マフムド2世モスク(別名カロル1世モスク)である。ミナレットがエキゾチックだ。
また、今回はドブロジャ地方の料理を口にすることができた。Bucharestでいつも世話になるビストロには「ドブロジャ風サラダ」がメニューにある。これは自家製ドレッシングが付けられ、美味である。この夜もメニューには「ドブロジャ風サラダ」があったのだが、注文したのは「ドブロジャ風トキツゥーラ」というものである。
今回宿泊したホテルのレストランでは、海産物を楽しみにしていたのだが、淡水魚メニューしかない。仕方なく郷土料理を探すと、このドブロジャ風トキツゥーラを発見したのだ。トキトゥーラそのものは、確かモルドヴァ地方発祥と記憶している。内容は、煮込んだ肉やソーセージに、目玉焼きをのせたママリガと呼ばれるとうもろこしの粉を茹でた付け合せで配膳される。また目玉焼きの上にはブルンザと呼ばれる白いチーズが振りかけられている。空腹時には大変食欲をそそられる一品である。併し小生には残念ながら「ドブロジャ風」の違いが分らなかった。写真を掲載するので、ご存知の読者諸氏には意見を請いたい。味は及第点だ。
Labels: 旅行:ルーマニア Romania
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