ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Wednesday, September 27, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 4(グループリーグE 第2節)

観戦チケット
右側に2枚の半券があった


この夜観戦した試合は、5年連続フランスチャンピオンを続けるオリンピック・リヨンを迎えてのホームゲームである。2005年12月から改修中であったステアウア・ブクレシュティのホームスタジアムでの記念する初戦でもあった。
オリンピック・リヨンはホームで行われた第1節をレアル・マドリー相手に2-0で完勝しており、その日キエフで大勝したステアウア・ブクレシュティと並んで勝ち点3で並んでいた。この夜の試合に勝った方が勝ち点6ということでグループ内の4つのクラブで首位を堅持できるのである。
大入りとなったステアウア・スタジアムでは、ほんの一角のみがオリンピック・リヨンのサポーターであったが、その殆どがスーツ姿であった。これは現在ブカレストで行われているフランコフォニック会議の出席者であろう。
21時45分キックオフという時間が、ブカレストから西に車で3時間の距離にあるクライオヴァに日帰り出張を終えたばかりの小生には有難かったが、前夜4時間の睡眠であった小生には疲労の原因になることは容易に想像がついた。しかも、試合に負ければなおさらである。

満員の新スタジアムはルーマニアのスタジアムとしては第一級のもので、外國で中継されても恥ずかしく無いといえる出来栄えであった。きれいな芝のピッチとそれを照らすカクテル光線が美しかった。このようなスタジアムには試合前からただならぬ熱気があった。

試合前のセレモニー


同行した友人は試合前に言った言葉が印象的であった。
「ルーマニアのスタジアムでこれほど興奮した雰囲気は初めてだ」
彼はシーズンチケットを購入しているほどの熱心なサポーターである。ステアウア・ブクレシュティのサポーターを、特に熱心なサポーターをルーマニア語では「ステリスト」という。小生も彼もステリストだ。

なるほど、小生も予選リーグでもステリストで満員のスタジアムを経験したが、この夜は違った雰囲気が感じられた。何よりも相手が違った。フランス代表やブラジル代表が何人も活躍するクラブである。

試合の経過を簡単に紹介する。
前半終了直前にステアウア・ブクレシュティのゴールキーパーがキャッチングミスをして先制を許した。強豪相手にミスするようでは勝てないものだ。小生は100%の力を出してようやく辛勝できると踏んでいただけに、非常に残念であった。後半にはコーナキックからの失点で0-2となり、終了間際にも1点を献上して0-3の完敗であった。

報道によると観戦したステアウア・ブクレシュティ会長のジジ・ベカリー氏はこう発言したそうだ。
「15分観戦して、このチームとは100年戦ってもゴールを奪えない」。
前半はそれなりに互角ではあったが、後半は息切れの様子であった。体力だけでなく、集中力が散漫と言えば良いか。正直、オリンピック・リヨンの選手の活躍には舌を巻いた。素晴らしい動きと技術をこの夜に見た。

小生が考える敗戦の原因は、ステアウア・ブクレシュティ得意のサイドからの攻撃が全く封じ込められたこと。併し同行の友人は「力の差」で片付けてしまった。それを言ってしまえば、元も子もない。

併し、意外なことに敗戦濃厚の時間帯になっても家路を急ぐサポーターが殆どいなかった。前節のキエフのスタジアムでの一戦をテレビで観戦した時には空席が見る見るうちに増えていったのと対照的だ。
そして、試合が終われば、野次が飛ぶわけでもなく拍手で両チーム選手の退場を迎えていた。暫くして日付が変わり、スーツ姿の相手チームの関係者がピッチの脇を通って帰る時にも、まだいたステアウア・ブクレシュティのサポーターがフランス語で労いの言葉を掛け、オリンピック・リヨンの会長が手を振るといった微笑ましい光景があった。試合中の野次からは考えられないこれらの光景に驚いたものだ。観客が帰り、寒空の下ではあったが、爽やかな気分に浸れた。

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