ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Wednesday, November 22, 2006

2006-07 UEFAチャンピオンズリーグ 7(グループリーグE 第5節)


観戦チケット


UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグは4チームで争われ、ホームアンドアウェイ方式で計6試合が行われる。各チームはホームとアウェイそれぞれで3試合行うことになる。E組の第5節が行われたこの夜はステアウア・ブクレシュティのホームゲーム3戦目であった。今季のチャンピオンズリーグは既に前節で本選への道が閉ざされたステアウア・ブクレシュティであるが、この夜の相手ディナモ・キエフとの3位争いは、重要な一戦なのである。

UEFAチャンピオンズリーグと同じくUEFAが開催するクラブチームの大会にUEFA杯というものがある。こちらはチャンピオンズリーグには格では劣るものの、実質は第2の大会である。現在UEFA杯もグループリーグが行われており、12月初旬にそれを終えた後は来年の2月20日に始まる決勝トーナメントという日程になっている。UEFAチャンピオンズリーズのグループリーグ8組のそれぞれの第3位のチームは、このUEFA杯の決勝トーナメント第一回戦から参戦できるのだ。このような事情でこの夜の一戦はただの3位争い(もしくは最下位争い)ではなかった。

今回の顔合わせでは、既に第1節でステアウア・ブクレシュティが敵地キエフにて1-4で大勝していることを、このウエブログでも知らせてある。その後、両チームは勝利がなかった。つまり、ステアウア・ブクレシュティは1勝3敗、ディナモ・キエフは4敗という成績である。この試合ステアウア・ブクレシュティが勝利するか引き分ければ、第3位確定ということになるのだ。


選手入場


試合は、キックオフからステアウア・ブクレシュティが前半20分頃まで猛攻をかけるがゴールを奪えない。冬の夜空の下のスタジアムは熱気のなかに何度も溜息が繰り返される。落ち込む間もなく次の攻撃が続くというのは、息が付けない流れだ。ここ3戦はオリンピック・リヨンやレアル・マドリーという強豪相手だったので、このような畳み掛ける攻撃とは無縁であったのだ。併し、猛攻を見せるも、初ゴールはディナモ・キエフに許してしまう。29分にチェルナットのフリーキックがそのままステアウア・ブクレシュティのゴールに刺さった。賢明な読者諸氏はお分かりであろうが、チェルナットとはルーマニア人の苗字である。このチェルナットもディナモ・キエフで活躍するルーマニア人で、その前はルーマニアリーグのディナモ・ブクレシュティに在籍していた。ステアウア・ブクレシュティの永遠のライヴァルのチームである。なんともいえない雰囲気がスタジアムに漂い、熱気はすぐに冬の夜に冷やされた。

ディナモ・キエフのサポーターは隣國ということもあってか、オリンピック・リヨンやレアル・マドリー戦に比べてほぼ2倍の席が宛がわれていた。横断幕で囲われ上記の2チームの時とは違う雰囲気である。チェルナットのゴールが決まった際には発炎筒が10数本焚かれた。相手チームのサポーターには持ち込みチェックも甘くなるのかと思っていたら、小生の近くでブラスティックのコップが行き来してコーラが注がれている。2.5リットル入りのペットボトルが見えた。中身のあるペットボトルは蓋をして投げれば立派な武器になるので、持ち込みは許されないのだが、この日は他にも半リットルサイズの水や清涼飲料水のペットボトルをいくつか見かけた。

一方試合は69分にはニコラエ・ディカの同点シュートで一矢を報いたステアウア・ブクレシュティが、その後のディナモ・キエフの猛攻に耐えて引き分けで終えた。この猛攻の中、ステアウア・ブクレシュティのゴールにネットが2度揺れたのだが、それぞれ、選手への反則とオフサイドということでゴールは認められなかった。

この夜の一戦で特筆する出来事が4つあった。
まず一つ目は、ステアウア・ブクレシュティに追いつかれた直後から10℃に満たないスタジアムでディナモ・キエフのサポーターが上半身の衣服を脱ぎスタジアムの一部が白色化していた。因に小生の目からは女性もがいたかは未確認である。二つ目は、さきにも触れたが発炎筒の存在である。ステアウアの・ブクレシュティのサポーターも持ち込んでおり、スタジアムの一部で脱衣が始まった頃数本が焚かれた。ペットボトル持込同様、冬服ゆえに隠しての持ち込みが容易だったのであろう。一方でライターの持ち込みは禁止されている(マッチはどうか知らないが)が、こちらは小さいのでさらに簡単であろう。ライター及びマッチの持ち込みが徹底されればスタジアムは完全禁煙になることは小生には嬉しいのだが。三つ目は、65分にピッチの外の選手に警告(イエローカード)が出されたことだ。こういうことがあるのは知っていたが、テレビ観戦を含めて初めてのことだった。このディナモ・キエフの選手は、78分にチェルネアと交代でピッチに入った。最後の四つ目は、乱闘である。取り分け熱狂的なサポーターで込み合うゴール裏の区画で起こった乱闘は30分ほど続いていた。小生は向こう正面の区画で観戦していたのが、端の方であったため該当区画と網越しに接せしていた。故に良く見えたのだが、原因を含めて何が起こったのかは分からない。恐らくはステアウア・ブクレシュティのサポーター同士であろう。仲間割れは、ゲームに水を注すだけだ。


発煙筒が焚かれる


こうして、ステアウア・ブクレシュティの今季UEFAチェンピオンズリーグのホーム試合は終わった。残りの1戦オリンピック・リヨンとのアウエイである第6節(12月6日)があるが、消化試合と思わずに良い結果を出してもらいたいものだ。ホームでの3試合で350RONのチケットを購入したのだが、0勝2敗1引き分け(2ゴール)の戦果でも随分と楽しむことが出来た。

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