ルーマニア 晴れ時々曇り

ルーマニア・ブカレストに暮らす小生の備忘録。 連絡は、次のアドレスまで。迷惑メール以外は歓迎します。 Bucurestian(at)gmail.com

Sunday, December 31, 2006

ウィーン旅行 vol.5 Wien 大晦日2

閑散とした下町の賑やかな店で満腹になった小生は地下鉄で市内中心をめざす。

Wienの中心は有名な聖ステファン大聖堂である。
ステファン広場から見上げる聖ステファン大聖堂は雄大といった印象を小生に与えてくれる。
同じゴシック様式のPrahaの聖ヴィート大聖堂の正面には威圧感を感じるが、このWienの大聖堂は広場に面しているせいか開放感も同時に与えてくれる。
Wienの中心はこの大聖堂であるのだが、実際に中心部として一括りの概念としてはリング(ring)と呼ばれる環状道路の付近とその内側と言える。このリングには路面電車が双方向に循環しており、「ハプスグルク王朝のショウウィンドウ」(観光局)の風景を眺める為に路面電車で1周するのも楽しいものである。

小生は地下鉄Stephansplatz駅で下車した。この駅はその名の通りでステファン広場に位する。
駅にはいくつか出口があるのだが、小生の好きな出口というのがあり、こののエスカレーターを利用するとだんだんと大聖堂が近づき迫るという体験が出来るのだ。日没後でも大聖堂はライトアップされているのでまた別の美しさがある。ただこの日に限っては、地上に出る前から爆竹と花火の騒音が響いていたので、雰囲気は全く違うものであった。

因にWienに到着すると、スーツケースを曳いてまずこの駅に降り立ち、そのエスカレーターに乗るというのが小生のちょっとしたこだわりでもあった。つい最近まではこの広場からすぐのところのホテルをWienの常宿として使用していたからでもあるのだが、知人のゲストハウスに泊まるようになってからは、スーツケースを持たずにこの体験を繰り返している。

広場の時計を見ると今年もあと僅か1時間余り。
1年を振り返るにも騒音と煙そして何よりもその発生源からの危険性でそれどころではない。
近くでグリューワインを買い求め、暖を取りながらそこに佇む。
カウントダウンの場所取りである。
間もなく人の波が押し寄せ、その「場所」もあやふやにはなるなか、時は来た。
広場の時計には秒針がないので、いつも誰がどう音頭を取っているのか分らないのだが、カウントダウンは10秒前から始まるらしくドイツ語の分らない小生は残り3秒から参加させてもらっている。
「drei, zwei, eins, Prosit Neujahr!」

周囲ではみな新年を祝い、持参したグラスや大きなビンで乾杯を繰り返し、キスを交わしたり、抱き合っている。
小生も持参したスパークリングワインの栓を抜きその中の一員となる。なお、スパークリングワインを持参する人の少なからずはシャンパンファイトよろしく雨を降らすので着飾らないで出掛けるのが良い。

ところで、ここからがさらに危険なのだが、やがて人々はビンやグラスを広場に投げ込む。
当然ガラス製品なので、それらは割れて飛び散るのである。かつて10年ほど前までは、この爆竹専用ともいえる広場はカウントダウン後に自然発生していたと、さきに書いたが、その頃は乾杯の後に誰かが足元に爆竹を撒き、同時にビンやグラスも叩きつけるのである。爆竹や花火は誰もが持つものではないが、ガラス製品はほぼその場の全員が持っているので、今思えばその当時の方が危険だったかもしれない。

これも毎回のことであるが、カウントダウンが終わると同時にヨハン・シュトラウス2世の有名な円舞曲「美しく青きドナウ」が街に響き、ワルツを始めるカップルが見られる。見ているだけで幸せな気分になる。
小生はワルツを聴きながら、密集の解けたステファン広場を後にしてケルントナー通りに出て友人達と合流。それからまた飲むのであった。

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